2023年04月25日

産後の骨盤のひらきが起こるメカニズム!それからくる症状について解説

産後に体が不調続きであったり、腰が痛かったりと、違和感をもっておられる方はおられないでしょうか?産後に骨盤が開くという現象が影響していることもあります。けれども骨盤が開くことはどういう状態であるのか、またその状態を放置していれば、どのような症状が起こるのかを知っている方は、少なくはありません。ここでは、産後に骨盤が開く現象について、また骨盤のずれから起こる症状について解説をします。

1. 産後に骨盤がゆがむ理由

産後に骨盤が開くことにより、骨盤の位置がずれてしまう事もあります。

1-1. 骨盤のつくり

骨盤は、腰やお尻付近にある、いくつかの骨の総称です。腰付近にあって容器のように広がっているのは「腸骨」、お尻の部分に広がるのは「坐骨」です。また坐骨からつながり前面に伸びる「恥骨」の3つを合わせた「寛骨」、腸骨を後ろ側でつなぐ「仙骨」、仙骨の先端にある逆三角形の「尾骨」があり、これら複数の骨がつながりあって骨盤は形成されています。

1-2. 骨盤のはたらき

腰からお尻にかけて広がる骨盤は非常に重要なはたらきをします。それは以下のとおりです。

  • 上半身を支える
  • 下半身を動かし、体の平衡状態を保つ
  • 膀胱や子宮、内臓を筋肉(骨盤底筋群)で支える
  • 排泄のコントロールを行う

どれも運動や体の保持には欠かせない部位です。

2. 産後に骨盤が開く理由

骨盤は体の重要な場所にあり、さまざまなはたらきがあることを理解しました。そこへ、産後に骨盤が開いている間に起こりやすいトラブルがあります。産後に骨盤が開いてしまうメカニズムについて紹介します。女性が妊娠をすると、体が出産に向けて準備を行うようになるでしょう。その中でも「リラキシン」というホルモンが多く分泌されるようになります。このリラキシンには、子宮筋をはじめとした骨盤を支えるための靭帯、そして骨盤底筋を緩ませる働きがあります。それにより骨盤前面の関節、恥骨の結合部分、背骨と腸骨をつなぐ関節である仙腸関節といったところが広がっていくでしょう。

そして産後はそれとは逆の作用をする「オキシトシン」というホルモンによって子宮を収縮させて、骨盤を元の位置に戻そうとします。子宮は出産してから2か月弱で元に戻ります。骨盤も正常であれば、それらの作用はきちんと働き、1~2か月で元の状態に戻るでしょう。骨盤底のダメージは、そのように1~2か月でほぼ回復をさせられます。その後、産後4~6か月後になると、骨盤が締まっていきます。

しかし、中には骨盤が正しい位置に戻らない人もいるでしょう。その理由は、以下の場合が考えられます。

  • 普段の運動量が少なく、靭帯が弱いため
  • 筋肉の使いかたに普段偏りがあるため
  • 骨盤周辺の筋肉が緩むことで、骨盤を支えきれず歪んでしまうため

3. 骨盤の開きからくる骨盤の歪みが起こす症状

骨盤の開きが元に戻らなければ、骨盤はゆがみやすくなってしまいます。その骨盤の歪みによって、どのような症状が起こりやすいかについて、次に紹介します

3-1.腰痛

妊娠中あるいは産後で、腰痛の症状を訴える方は少なくありません。その原因として1つは「骨盤周辺の筋肉の緩み」があります。骨盤周辺の筋肉やじん帯などが緩むことによって骨盤に普段以上に負担がかかりやすくなります。その結果腰の筋肉にもその負担がかかりやすくなり、炎症が起こって腰痛の症状が発生するでしょう。

また、他にも「姿勢が悪くなる」という理由が挙げられます。妊娠中、お腹の子どもが大きくなるほど、バランスをとるために反る姿勢をついとってしまいます。また逆に産後は赤ちゃんの世話をするときに、前かがみの姿勢をとることが多くなるでしょう。さらに抱っこやおんぶなどでも無理な姿勢をとってしまうこともあります。

3-2.体型が崩れる

「出産後体型が変わってしまった」という体験をされた方も意外と多いのではないでしょうか。前述したとおり、前かがみや後ろに反る姿勢が増えてくると、体を傾けようとした方向に骨盤が動いてしまうのです。前傾姿勢を取ろうとしたことが多い方は、骨盤が前に出て、おしりが出たり前の太ももが張る感じもしたりします。また後ろに体を傾けようとすることが多い方は、骨盤が後ろに下がることでお腹がぽっこりする感覚を持ちやすくなります。

3-3.冷え・むくみ・便秘

骨盤が歪むことで筋肉の働きが正常に働きにくくなる場所が発生します。そのような場所は筋肉が硬くなりやすく、それにより血流が悪くなります。その結果むくみや冷えを覚える方がいるでしょう。また骨盤は内臓を支える働きもしていますので、骨盤が歪むことで内臓の場所がずれてしまい、その結果腸を圧迫したり、動きにくくしたりして便秘を引き起こすこともあります。

4. まとめ

女性にとって出産は人生の中でも大きな出来事であり、体を酷使して行うものであり、非常にハードなものです。妊娠から出産までの間、体に大きな変化が起きます。その期間の過ごし方によっては、体に不調をもたらす原因となる姿勢や行動があることも注意しなければなりません。

産後、骨盤が原因となるさまざまな症状を覚えた場合、整骨院へ行き、元の姿勢へと矯正すると楽になるでしょう。「アイリス」は長野県松本市を中心とする大手の院です。産後の不調を覚えた方も、症状を改善させていけるでしょう。産後の症状にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。